忍者ブログ
自分を探すというよりは確かめるための散歩。
[82]  [81]  [80]  [79]  [78]  [77]  [76]  [75]  [74]  [73]  [72
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 僕は学者を将来の進路として志望している。分野は何かと言うと、よくわからない。聞かれた人によって答えを変えることにしているが、研究テーマについては法律と暴力のはざまに興味があるというのが精確なところだと思う。それでは該当する学問分野は何かと問われれば、国際政治、国際法、国際関係論、憲法学、政治哲学、法哲学、法社会学、などが関連分野としてぱっと挙がってくる。現在、専攻は平和構築ということになっているが、それはそうした法と暴力の問題が極めてアクチュアルな様相を伴って立ち現れるからである。
 
 個人的な興味はこんな感じなのだが、専攻の性格上、そこにはユートピアニズムにどっぷりと浸かった人が一定数存在することもある。そこには、人が分かりあえる日を信じて疑わない人が存在し、時に美辞麗句で持って、その理想を語る。その姿は、対他的というよりは自己中心的で、説得的というよりは陶酔的である。学部のときから、そういった類の人から好かれる存在では決してないが、学部の時から変わったのは、そうした人を目の前にして、ある種のまぶしさを覚えなくなったことだろうか。当初はやっぱりカッコイイと思った時もあった気がする。
 しかし、彼らの一つの傾向性に疑念を抱くようになってから、そうしたものもなくなった。その疑念とは、「人は理解しあえると思っている人たちは、人とは理解し合えないと思っている人たちと、理解し合おうとしない」という傾向性に対するものである。理解できないと思っている人たちに彼らが向けるまなざしと言うのは、時に憐みであり、侮蔑である。そして、時には敵対的な視線である。そしてそうした視線は今の世界で、寛容という名の下の不寛容となって、ときには視線がミサイルに姿を変えて投げかけられることになる。まぁ、話を単純化しすぎたし、レトリックにすぎる言葉になってしまったが、そうした傾向性には注意を向ける必要があるだろう。
 彼らは"Conflict resolution"をあくまで目指すのであって、"Conflict management"なんぞいう悲観的な考え方を受け入れない。その姿勢があらたな"Conflict"の要因になるとはつゆ知らず。僕は前者には与しない。どんなに悲観的だと言われようと、争いは生じるし、それが悪いことだとも思わない。

 それではそうした原則を持って、学者としての立ち位置をどう考えているのか。これは二つ目の大きな問いである。今までのが、目的に関する議論だとしたら、今からのは手段に関する議論と言えよう。そして、手段としてなぜ、暴力と法のはざまの研究を選ぶのかということにもつながってくる。

 まず、学者は、道具を作るものだと思っている。だから自分の言説にはプロフェッショナルでなければならない。それではその道具の使用方法についてどの程度責任を持つべきか。それは取扱説明書を作るまでと言わなければなるまい。そのあとはやはり政治家なり、実務家の領域である。それでも、その誤った使用方法で批判が出たならば、甘受しなければならないと思う。その正しいと自分が思う使用方法を広めていくのもまた大きな役割であるように思うのだ。
 そして、現在の状況を鑑みるに、暴力と法のはざまにおかれた人間に用意された道具が極めて少なく、稚拙であるというのが現状に対する認識だ。リビア空爆を批判する人がいたら、それを説得的に果たして展開できただろうか?推進派ですらそれは怪しい。それではその効果は?また、日本において、政治の醜態が露見されるが、代替案を示す力と知性はいずこへ?こうした問い、法に従うでもなく、暴力に訴えるでもなく、そのはざまんで、その両者にぶら下がりつつ、なんらかの“正しい”もしくは“適切な”、“妥当な”方策を考える際の語彙が著しく少ない。特に日本において、そうした語彙は、要するに主体性を持った語彙はないに等しい。そして、それに形を与えることで、先の"conflict management"はもう少し見晴らしのいいものになるのではないか。こうした、動機によって、研究は進められている。

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
mail
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (管理人しか読むことができません)
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新コメント
最新トラックバック
プロフィール
HN:
バータンQ
年齢:
38
性別:
男性
誕生日:
1986/01/22
職業:
学生
趣味:
妄想
自己紹介:
大学院で平和構築を勉強中。
スナフキン症候群にならないようにと日々励んでいます。
ブログ内検索
アクセス解析
カウンター
FX NEWS

-外国為替-

Copyright (c)What am I ? All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  Photo by Kun   Icon by ACROSS  Template by tsukika


忍者ブログ [PR]