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自分を探すというよりは確かめるための散歩。
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 学問とはなんであるか?

 この問いをめぐっておおよそ人文系の学問が学問にあらずとされたことがある。それはデカルト以来の経験科学や論理学などの勃興で経験や実験に基づいてその真理性が実証できないものは学問にあらずという実証主義的な背景による。これに価値相対主義的な考え方も相俟って、倫理学とか政治学とかは完全にその存在意義を疑われた。うちの大学に総合人間学部とかいう得体の知れない学部があるが人間科学部とかそういう得体の知れない学部が登場したのは文学部とか哲学とかそういったものの存在意義が問われたためとりあえず名前かえとこか的な流れがあったのである。倫理学では実証主義に抗うことができず、メタ倫理学へと流れ、政治学では特にアメリカにおいて行動論というのが起こった。ただこうした実証的な学問手法は現実追従的であり保守的である。実証主義というイデオロギーの賜物でしかないという過激な反論もちらほら見え始め、実証主義的な現実把握と規範的な理論構築をうまいことやっていこうやという流れがでてきた。それが今。いま、振り子は規範理論構築へと振れているような気がするが、これは危険である。あたまでっかちが世の中を動かすことほど恐ろしいことはない。頭でっかちは老人のように半ば厭世的な態度ですみっこでぶつくさ文句を言っているくらいがちょうどいいのである。もう構造主義とか出てきてよくわからん。みたいになっているのではないだろうか。中世キリスト教社会の崩壊が真理的価値の崩壊をもたらしたのであれば、今はアメリカンドリームの崩壊が世界的な真理の瓦解をもたらしている。真理はそこにあるものでもなくてたぶんフィクション的につくらなけばならないから、あと一世代分は混乱が続く。今の新たな価値を創造している世代が親になって自己欺瞞的に子供にその価値の大切さをその論理付けが難しいというかできないからすっとばして、若かりしころの意味のわからない熱い気持ちだけをなんか神秘的に語ることによって、その系譜学的な由来をしらない子供はあらたな価値規範の中でゆるりと生きていける。そしてまたその子供くらいで価値の崩壊が。だいたい混乱は一世代から二世代周期で起こっている。まぁそんなもんである。だから僕くらいの年の人はもっと価値を無根拠に信望してみてもいいのでは。大学という鳥かごの中でぴーぴー鳴いとけばいいのではないのだろうか。その価値が何たるかは個人的には、ノブレスオブリージ的な積極的な分相応というありきたりに落ち着く。それと坂口安吾の言葉を借りればきちんと堕落していくことである。坂口安吾はすごい。

 あぁ、学問とはなんであるか?ということであった。山田詠美の新作が「学問」である。大人の階段上る様子が描かれている。学問とはなんであるか。自分が知っていることに名前を与えることである。名前をしってそれを知ることではない。ということはそもそも学問の存在意義なんて人間循環的なものである。ようするになんとでもいえる。なんかそのような気がする。有体に言えば己を探求することかもしれない。性欲、食欲、睡眠欲に生きる思春期を切り取った作品である。おまえはもらしてもいいんだ、しょんべんじゃなくておしっこだから。それを言った本人は後におしっこの涙を流すことになる。

読んだ本
告白・・・これはとてもすきである。人間の感情のどうしようもなさを見事に描いている。それと過去に関する事実などない。あるのは記憶による解釈だけであるというような。それでひとつの出来事が立体的に質感を持って浮かび上がってくる。
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1986/01/22
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自己紹介:
大学院で平和構築を勉強中。
スナフキン症候群にならないようにと日々励んでいます。
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